新卒で入社した会社を辞めるまで part.7

仕事を初めて3ヶ月経ったが、

僕は一向に仕事を覚えられないでいた。

 

何かをすると、何でそうすると怒られる。

分からないなら聞けと言われ、

何かを聞くと前にも教えただろう?と

言われる始末だ。

 

もう何が出来て何が出来ないのか、

自分でもわからない状態。

仕事に行くのがどんどん苦痛になった。

 

そんな中でまた新たな現場に、

派遣されることになった。

 

その現場は、

とても大きな機械の修理だった。

しかも昼夜の交代制での作業の予定で、

僕は初めて、

夜勤で仕事をすることになった。

 

初めての現場での作業は、

今までの作業の積み重ねと

センスがよく出る。

茶髪の兄さんは、

初めての現場でも、

どのような段取りをして、

どうすれば作業を上手くできるかを、

感覚で把握できているみたいだった。

 

僕は、常駐の現場でも、

どうすれば良いのか分からないのに、

初めての現場など、何かをするだけで、

金髪の兄さんから、

邪魔だの、いらんことするなだの、

のけ者扱いされるだけだった。

 

だんだん何をやっても怒られるから、

何かを挑戦するのが怖くなってしまった。

でも手伝わないと、

ボサッとするなと言われたり、

やる気ねえんか!と怒鳴られる。

職人仕事は本当に、

根性が必要だとヒシヒシ感じた。

 

新しい現場での仕事が終りに差し掛かり、

最後に僕でも出来そうな作業を、

茶髪の兄さんと金髪の兄さんがやっていた。

金髪の兄さんは、

見てねえでオメェもやれや!と声を上げた。

僕は茶髪の兄さんに変わりますと言い、

作業を変わってもらう。

だけれど思うようにいかなかった。

茶髪の兄さんが、

俺がやるよと、僕から道具を、

取り上げてまた作業に戻った。

僕は何も言えなかった。

僕がやるより、

兄さん達2人でやった方が、

圧倒的にスムーズに作業が進んでいたから。

だけど、そんな考え方は通用しなかった。

金髪の兄さんは怒って、

オメェがやれーや!!と激怒してきた。

だけど僕は声が出なかった。

上手くやる自信がなかったから。

僕が変わるより、

茶髪の兄さんの方がどう見ても

適任に見えたから。

今なら分かるが、

職人仕事だけじゃないけれど、

仕事はやってみないと上達しない。

最初は下手で当たり前だ。

だけどそれでも、

喰らいついていかないといけない。

自分が受けた仕事は、

誰がなんと言おうとやり抜く覚悟が無いと

職人仕事なんて絶対に覚えられない。

自分が出来ないプレッシャーに負け、

仕事を取られたら、

仕事を覚えてない僕に残されるのは、

傍観することだけだ。

 

仕事をするのは覚悟がいる。

特に体を使う仕事なら尚更、

身を粉にしてでもやり抜かないといけない。

僕は自分自身に負けたのだ。

金髪の先輩は、変わりますと、

言えない僕を見てため息を

ついているだけになった。

 

どんどん職場から必要とされていない

人間になっていくことに

不安と悲しみが湧いてきた。

 

[退職まで残り322日]