新卒で入社した会社を辞めるまで part.2

 

新人教育を終えて部署に

配属される日の前日。

 

僕の配属予定の部署に、

「ひ孫会社」の社員を管理する、

孫会社の偉い人が、僕に部署の説明と、

部署の案内をしてくれた。

 

その偉い人は、

現場で使う道具を一式、僕に渡してくれた。

 

その渡された道具は、

今まで見たことの無いような

物ばかりだった。

 

偉い人は、この道具は知っているか?

これはどんなふうに使うと思う?

と聞いくる。

 

僕は、何一つ分からなくて、

分かりませんと答えてばかりだった。

 

これも分からないのか?

これくらい見たことあるだろう?

なんて偉い人は笑いながら話してくる。

 

僕はこんな時にどう反応すればいいか

分からなくて、愛想笑いするので、

精一杯だった。

 

たぶん、この偉人は、

悪い人ではなさそうだった。

ただ僕は上手く合わせる方法が

分からなかった。

 

ひとしきり、部署の説明や案内、

道具の説明が終わると、

その日の勤務は終わった。

 

明日から、本格的に現場入り。

そう思うと、

期待と緊張でしばらく眠れなかった。

 

初の現場入りの日。

新人教育とは違い朝早くからの出社。

現場仕事の人達の朝は早かった。

 

現場の詰所に出社すると、

3~40人くらいの人達が、机を囲み、

それぞれの会社毎に集っていた。

 

僕は、昨日説明されたロッカーへ向かい、

作業用の服に着替え、靴も履き替えた。

昨日の偉い人が、僕の会社の人達が集まる

机まで案内してくれた。

 

一緒に働く会社の人達との初対面だった。

凄く緊張した。

偉い人が、

今日からこの部署に配属になった子だ。

色々教えてやってくれよ。

と、僕を紹介してくれる。

 

4人いた同じ会社の人達は、

笑いながら偉い人にいろいろな

反応をしていた。

 

同じ会社の社員の人達。

金髪、茶髪。の若い人2人。

太ちょな、頼りなさそうなおっさん。

それと、白髪だらけのおじいちゃんがいた。

 

みんな凄く日焼けしていて、

厳つく見えた。

 

僕は、とんでもない会社に

入社ってしまったかもしれないと、

同じ会社の人達を見て思ってしまった。

 

マイペースでおっとりした僕とは、

正反対な、オラオラ系の人種だと

すぐ感じたから。

 

会話が苦手な僕は、

自己紹介はほどほどに終わらせた。

 

太ちょなおじさんが、

現場で作業する前に書かないといけない、

書類の説明などをしてくれた。

 

その書類は毎日、

現場に行く前に書かないと

いけないものであり、

それを書くのは、

一番下っ端の仕事であった。

 

僕は一回、聞いただけでは覚えられない。

だけど分かりましたと、

返事だけしてしまった。

 

当然、次に同じことが出来ないから、

怒られることになるのだが…

 

詰所で仕事の時間が来たら、

各会社のグループ毎に、現場へ向かう。

分からないことだらけの僕は、

会社の先輩達に送れないように

ついていった。

 

現場へは、車で移動する。

その車の中は、ほとんどみんな無言で、

居心地はあまり良くなかった。

 

現場に到着し、

おじさんから、現場のルールや、

作業内容などをレクチャーしてもらえた。

 

だげど何一つ頭に入ってこなかったし、

頭に入れなくても大丈夫だと思っていた。

 

作業やルールなんて、

やっている内に覚えられるさ。

なんて根拠のない自信が僕にはあった。

この考え方は最悪だった。

 

現場の1日目は、

とりあえず流れを聞くだけで終わった。

僕にとって、仕事の1日目が1番幸せだった。

なぜなら、何も出来なくて当然だと、

自分も周囲も納得しているから。

 

問題は教えてもらったことを、

2回目にする時だった。

 

明日から地獄のような日々になるのを

この時の僕は気づいていなかった。

 

[退職まで残り364日]