新卒で入社した会社を辞めるまで part.1

 

平成23年

僕は高校を卒業して、鉄工所に入社した。

 

そして、

その1年2ヶ月後に、

僕はその会社を退職した。

 

今回はそれまでの体験を、

お話しようと思う。

 

新卒で、会社に入社した日。

僕はとてもワクワクしていた。

別に自分がやりたい仕事に、

就職でかたからではない。

楽しそうな職場だと思った訳でもない。

 

ただ自分の力で生きていける歳になれた。

これからは、親に言われるがままに、

生活しなくても、会社でお金を稼いで、

自由に生活できる。

そんな期待でいっぱいだった。

 

学生時代は、

青春という得体のしれないものを、

満喫できなくて、悔しかった。

だから早く社会に出て、

皆が追い求める青春を探す世界から

早く離れたかった。

社会に出れば、青春なんて考えなくても、

自由になれると、本気で思っていたから。

 

僕が入社した会社は、

まず2ヶ月間の新人教育から始まった。

 

僕は、あまり頭がいい方ではなかったから、

親会社の下請けの下請けの下請け。

親会社から見て「ひ孫会社」の社員だった。

すでに、親会社との格差は新人教育から

はじまっていた。

 

親会社の社員とは、

別室で教育プログラムを受ける。

子会社から僕の「ひ孫会社」までの

社員は同じ部屋で

教育を受けることになった。

 

また、子会社と孫会社とも格差があって、

孫会社までの社員は、新人教育の昼休みに、

会社支給で、お弁当が配られていた。

僕ら「ひ孫会社」の社員は、

子会社の人達と同じお弁当が、

食べたいなら、お金を払って

購入しなくてはいけなかった。

 

購入するのが嫌なら弁当を

自分で用意すれば良いのだか、

同じ部屋で教育を受けているのに、

自分達「ひ孫会社」の社員だけ、

違う弁当を、用意するのは、

おかしい奴だと思われるようだ。

 

僕は、同期入社の、

ひ孫社員の人達と同じように、

子会社弁当を、購入するようにした。

そのことに、抵抗を感じていた僕は、

すでに、この会社では、

上手くやっていけないと

なんとなく感じていたのかもしれない。

 

新入社員教育の日数が経つにつれて、

僕は新人教育の空間に居るのを嫌だと

感じはじめた。

 

みんな、だんだんと同じ会社、

違う会社の人達と仲良くなっていった。

だけど僕は、誰とも馴染めずにいたから。

 

だんだんと皆が仲良くなり、

一緒に活動していく中、

僕だけは、一人で活動することが多くなる。

 

僕に興味を持つ人も何人かいたが、

話していく内に、なんかおかしい奴だと

感じられていたらしい。

僕が何かを言うとよく苦笑いされていた。

そんな状態だから、

早く新入教育が終わってほしいと、

切に願ったものだ。

 

しかし逆に、他の社員は、

ずっと新入教育だけで、

現場に行かないようになれたらいいのにな。

なんて言っていた。

 

僕はなんでそんな事を思うのか、

不思議でたまらなかった。

こんな退屈な教育なんて、

早く終わりにしたくないのだろうか?と。

だけど普通に考えると、

教育として、話を聞いたり、

机上で座学だけをしている方が、

どんなに楽か分かるのだろう。

当時の僕はただ、

人間関係の上手くいかない、

新入教育という舞台から

逃げたいだけだった。

 

2ヶ月の新入教育を終えて、

僕達は、現場に派遣されることになった。

 

やっと、上手くいかない人間関係から

開放される。

仕事だけをすればいい環境にいける。

そう安堵していた。

だけど本当の地獄は、

ここからだということを、

当時の僕は知る由もなかった。

 

[退職まで残り365日]